看板の設置工事は、とび・土工工事に該当するのか?

建設許可の区分は、紛らわしいことがよくあります。例えば、とび・土工・コンクリート工事の例示に「屋外広告物設置工事」とありますが、こちらは、完成している屋外広告物の設置をするだけの工事が該当します。看板を設置する現場で屋外広告物の製作、加工そしてその後の設置まで行うとなると鋼構造物工事の「屋外広告工事」に該当しますので注意が必要です。

それでは、建設許可 とび・土工・コンクリート工事について、まとめていきます。こちらは、建築系の工事と土木系の工事の両方はふくんでおり、広い業種になりますが、おおまかに、5つに分けられます。

1) 足場の組み立て、機械器具、建設資材等の重量物の運搬設置、鉄骨等の組立て等を行う工事

具体例
とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事

2) くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事

具体例
くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事

3) 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事

具体例
土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事

4) コンクリートにより工作物を築造する工事

具体例
コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事

5)その他基礎的ないし準備的工事

具体例
地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、方面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事

請負金額500万円以上のとび・土工・コンクリート工事を行うには、建設業許可申請が必要です。

建設業許可(とび・土工)取得のために

建設業許可を取得するためには、経営業務の管理責任者専任技術者が必要になります。

「とび・土工業」の経営業務の管理責任者の要件

「とび・土工工事業」を営む会社の常勤役員であり、役員の経験が5年以上ある。
「とび・土工工事業」以外の業種の会社の場合は、役員歴が6年以上必要。

「とび・土工工事業」を個人事業主として、5年以上の経験がある。
「とび・土工工事業」以外の業種の場合は、6年以上の経験が必要。

「とび・土工工事業」を営む会社や個人事業主の本で経営業務の補佐を6年以上した経験がある。
会社の場合は、役員の次の例えば建築部長などが該当。個人では、妻や子、共同経営者が該当します。

「とび・土工」の専任技術者(一般)の要件

「とび・土工」の専任技術者となるためには、資格か学歴+実務経験か実務経験が必要になります。

建設業許可のとび・土工工事業で専任技術者となることができる資格

1級 建設機械施工技士
2級 建設機械施工技士
1級 土木施工管理技士
2級 土木施工管理技士(土木又は薬液注入)
1級 建築施工管理技士
2級 建築施工管理技士(躯体)
技術士 建設・総合技術監理(建設)
技術士 建設「鋼構造及びコンクリート」
技術士 総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
技術士 農業「農業土木」総合技術監理(農業 「農業土木」)
技術士 水産「水産土木」総合技術監理(水産「水産土木」)
技術士 森林「森林土木」総合技術監理(林業「森林土木」)
地すべり防止工事士(実務経験1年以上)
基礎施工士
技能検定 型枠施工 (2級の場合は3年以上(平成15年以前合格者は1年)の実務経験が必要です。)
技能検定 とび・とび工・コンクリート圧送施工(2級の場合は3年以上(平成15年以前合格者は1年)の実務経験が必要です。)
技能検定 ウェルポイント施工(2級の場合は3年以上(平成15年以前合格者は1年)の実務経験が必要です。)

学歴+実務経験の場合

・土木工学科
・建築学科
大学で上記の学科を卒業した場合には、実務経験3年が必要です
高校や専門学校の場合は、実務経験5年が必要です。

実務経験のみで申請する場合

「とび・土工工事」に関する実務経験10年以上必要です。
こちらが、なかなかやっかいで、契約書や請求書、入金通帳などで10年分の実績を証明していくのですが、とび・土工工事以外の建設業工事は、カウントされません。